8/28、プレイ開始日。
この十日前ほどから、買うかを迷っているツイートをしていた。何しろネットでの噂が「伝説のクソゲー」の代物。
これまで「これはクソゲーだ!」はっきりと言い切れてしまう物には、なかなか当たったことがなかったので、どうしても購入を躊躇していた。
(過去にプレイしたことのある最○記やハ○ターのいくつかのキャラゲーは、ゲーム好きとしては正直微妙なレベルの出来もあるが…それは、まぁキャラゲーなので、操作性などゲームとしての面白さは別に置いて評価しても良いジャンルでもあるとも思う)
しかし結局気になる気持ちが抑え切れず、ついにスイッチ版を購入。
ドキドキしながら起動してみた。
タイトル画面はシリアス、BGMもハードな世界観を思わせて格好いい。
説明書を読み込んで数分後、ついにプレイスタート。
早速敵4体(ふらっかとじゃんくだった気がする)と遭遇。
まずはサイキックらしくESPを使おうとコマンドを選択するが「さいこぱわーがありません」
はい?
袋叩きにあい、表示される「みなみはしにました」
はい?
当時のつぶやき↓
22;29
星をみる人、開始早々1分でゲームオーバーになりました。なんだこれ…
動揺がそのまま文になってます。実際は20秒ぐらいで何もかも終わっていました。呆気に取られました。
呆気に取られすぎて、天の声に「みじゅくもの!」と叱られてもポカーンとしてました。
動揺したものの、再スタートし、とりあえず上のマップを目指す。
歩くのおっそ!!なんだこの遅さ!!!
そしてあれよあれよという間に、再び敵と遭遇。今度はとかげみたいな敵・さらまんだー。
「みなみはしにました」
いや、もうね、びっくりでした。歩いて移動するだけで死ぬゲームは初めてでした。
しかも主人公のみなみ君、はじめはレベルが1ではなく0という謎仕様のせいで、サイキックのくせにESP使えないんですよ。
脳筋かよ…と言いながら、なんとか上の街(村だったらしい)に着く。
しかし戦闘もできないのでお金も何もない。村の中に回復ポイントもない。
あれ?ネタバレのない事前情報(某ゲーム紹介サイト)で、初めの村には回復ポイントがあると書いてあったのに?と思いつつ、村を出る。
スタートポイントに戻っている。
「あれ?」って本当に声が出ちゃいました。戻った覚えないのに?
村を出た時の出口が、どうやらスタート地点に固定されてしまってるらしい。
動揺しながらも、またマップを移動してみる。
そしてまた死亡。流石にこの辺でセーブできないことが不安になり、スイッチ版の追加機能「さいこりばーす」で時間を巻き戻し、直前へ戻る。
スタートポイントから左に行って、いきなり画面が切り替わる。
ん???????
ここが村かーーーーーい!!!!!
わかるかーーーーーーー!!!!!!
ここで、私は初めてクソゲーの意味を理解しました。
今までやってきたのつまらない作品は、決してクソゲーではなかった。
これ、ゲームとしてもかなり不親切な出来だ……!!!
その確信に戦慄しました。大袈裟でなく、ゲームというものに対しての概念が私の中でぶっこわされました。
そして、その理不尽さがだんだん面白くなってきました。マゾか、と言われたらそうかもしれない。
理不尽な歯応えが、逆にやる気に火をつけたのです。
敵をESPではなく物理(素手)でなんとか倒せたときは、ものすごい達成感。
このゲーム、やってみよう!
攻略サイトはできれば見ずに、自力でなんとかやってみよう!!
というわけで始まった、記憶をなくしたサイキック・みなみ君の旅。
はじめは脳筋な彼でしたが、レベルが上がればとりあえずはなんとか戦える子になってきた。
敵の強さは序盤にも関わらず、えげつない魔法使ってくる「ふっかつしゃ」などが徒党を組んでやってきたりするので、確実に倒せる敵の時以外は、とにかくスイッチ版の追加機能「さいこりばーす」で戻す。
何しろこのゲーム、「逃げる」コマンドがない。エンカウント率も敵のレベルもおかしいのだが、逃げられないので強い敵にあったらまず死ぬ。
そのため、とにかくクリア目指して、便利な追加機能はフル活用させることにした。
ゲーマーの端くれとしては、本来のファミコン版のシステムだけを使う(スイッチ版で言えば、縛りプレイか)ことを目指すべきかもしれないが、そこは許してもらおう…と、誰かに言い訳をしつつ、プレイを進める。
一人目の仲間は、「みなみの地下」にいるらしい。
みなみなのに南の地下って…と思いながら場所を探す。
が、ドット絵のマップは、地形の見づらいよくわからんフィールド。南っぽい地点に行くも、何やらアイコンが見える場所に行く前にマップが切り替わる。
茶色い空間。とりあえず中を探索するも、壁にぶつかって出られない。
仕方なく入ってきた出口に行こうとするも、出られない。
あれ????
しばらくウロウロして、試しにみなみ君固有のESP「ぶれいく」で障害物を壊すも、やっぱり出られない。
あ、これ詰んだわ。
さいこりばーすで入る前に戻すには、時間が経ちすぎているため、初めてセーブを行う。
わかりづらいパスワード画面になり…
って、パスワードにはカタカナあるんかい!!!
突っ込みながらも、コンティニュー。
スタート地点に戻り、状態を確認すると所持金はゼロに。
…これ、しんどいぜ……。
再び南の地下を探す。が、最初に行った場所とは違うマップに、何度も行ってしまう。
これはどうやら落とし穴ポイントのようだというのがわかってきたので、レベル上げをしつつ、再度南の地下を探す。
でも見つからない。結局また初めに着いた、よくわからんマップに入る。
ふと、何かの瞬間に方向キーを押したまま壁を押す。
と、すり抜けた。
ん????
これ、もしやレベルが上がったことで、道が開けたパターン?
どうやら移動ESP「じゃんぷ」のレベルが上がったことで、壁抜けができるようになったらしい。
思いがけず突破できるようになったので、そこで二人目の仲間「しば」を見つける。
後から知ったけど、そこはどうやら発電所だったらしい。
よくわからないまま二人で探索して、よくわからんまま発電所のスイッチも入れておいた。
で、二人で地上に戻る。心細くないのはいい。
しば君はジャンプの使い手。レベルが上がると、それに応じてピョーンとすり抜けや飛び越えができる。
これが楽しい。レベルが上がると、移動距離が飛躍的に上がるのは強くなった実感がある。
あとレベルが上がるとキャラのグラフィックが変わる。
いつの間にか二人とも外見が凛々しくなっていて、細かい工夫は面白い。
そして、よくわからんまま探索して、マップがそれまでとは別のものに切り替わる。
これがこのゲームの感覚。とにかくよくわからないのだ。
正規ルートを辿っているのか、そうでないのか。迷っているのか、そうでないのかもわからない。
マップが見にくいのもあるし、説明が全くないのもあると思う。
でもあえて擁護するなら、それが冒険のリアリティなのかもしれない…。
地図のない道は、そりゃ見える所に行ってみるしかない。あてもなく進むしかない。
二つ目の村・でうすの村で「あーくCITYでかつま大佐に会え」と言われていたので、そこを目指す。
フィールドの雰囲気が機械っぽい感じになり、戦闘BGMが切り替わり、敵もさらに強く気持ち悪い外見の物がバンバン出てくる。
ビビりながらも逃げまくり、街へとたどり着く。
街の入り口のおっさんに「お前など知らない!」と叫ばれ、なんやねん…と思いながらも探索を続ける。
情報屋に手持ちのお金を支払い、仲間の一人が居住区にいることを突き止める。
迷いながらも居住区へ着く。そこで3人目…でなく、4人目の仲間の「あいね」を仲間にする。
ESP「てれぱしー」で心の声を読めるあいね。これまでのメンバーと比べ、一人だけなんだか名前がドイツ語っぽい。Eine?
彼女は戦闘画面で表示される仲間の枠の4番目にいるため、3番目にもう一人仲間がいるようだ。
その後、しばらく冒険は頓挫した。お金がないのもあるし、とにかく弱いのもあった。
何より、かつま大佐の居場所がわからなかった。ロックされている部屋に入れるIDカードやジャンプで入れる場所にいる、名前のあるキャラクターたちにたくさん話しかけるが、話は進まない。
物語の背景は徐々に見えてくる。ここは大きな宇宙船の中で、六百年ほど彷徨いながら新しい星を探しているらしい。
タイトル画面に出ている船がこの世界なのだろう。ということは、あーくCITYとは「箱舟」ということか。
その方舟をコントロールしているのは、くるーⅢというコンピュータ。
説明書にもあったが、それが人類を密かにコントロールしており、反抗する力を持った者・サイキックであるみなみたちをサイキック狩りして捕まえようとしているらしい。
クルーⅢはマインドコントロールを常に人類へ行なっているため、悪いことを考えたりすると思考が修正されたりする。現に強盗をしようとしていたキャラが今何考えていたっけ?となる場面がある。
街の中もなんだかサイケな音楽で、心休まらないがその背景を思えばなるほどとなる。
一般人は、サイキックたちに対して恐怖感を抱いている者もいる。サイキックを捕まえたら賞金が出るらしい。仲間の一人はそうして捕まったようだ。
クルーⅢの秘密を知り過ぎたものは、廃人化・狂人化されて病院へと収容されている。
そして、人類の一部は実験でモンスターを作った。クルーⅢの命令なのかそうでないのかはわからないが、それがフィールドに出ているよくわからないモンスターたちのようだ。
サイキックも、遺伝子研究によって作られたらしい。つまり、みなみの記憶がないのもそのためなのかもしれない…。
そんな奥深い設定に惹かれつつ、かつま大佐を探し続ける。
すると街の入り口で怒鳴られたおっさんの心の声が、テレパシーで「わしはかつまたいさだ!」と叫んでいた。
アンタかい!!!と思いつつも、そのあとはいくら話しかけても物語が進まない。
フラグがたりないのか…。
ある程度レベルが上がり、お金と装備が整ってきた。
相変わらずかつま大佐とは会話が成立しない。仕方なく、やっていないことをとりあえず試してみようと、情報屋の情報を全部買ってみることにした。
その結果、かつま大佐に話を通してもらえた。マジかよ、と呟いてしまった。
大佐はサイキック狩りをしている方だったが、真の敵はみなみたちサイキックではなく別にいると分かったらしい。
彼から研究所などの施設に入れるゴールドカードをもらった。
それにより行ける場所が広がり、色々情報を収集するも、なかなか核心までにはたどり着けていない感じだった。
情報屋で買った情報の中には、「地下から宇宙に行ける」というものがあった。
そう言えば、はじめの「まむすの村」から、いつの間にか宇宙服を着た人のいるエリアに行けるようになっていた。
さらにいつの間にか、「さんそパイプ」なるアイテムも拾っていた。
これがどうやら重要アイテムのようらしいが、どこかを歩いているときにいつの間にか懐に入っていた。木の実ですら拾うか聞いてくるんだから、拾ったとか教えてくれよ…
ゲームシステムにぼやきつつも、それはもう今更。手探りでとにかく進む。
やがて、別マップから宇宙空間に出た。ダメージ床(ドラクエで言う毒の沼)で突然死ぬことを繰り返しながら、しばのジャンプで進む。
この辺りから敵がえげつない強さになってきているが、とにかく逃げていた。
マップの場所は「うちゅうたわー」と言うらしい。ラストダンジョンはジャンプで壁抜けできると言う情報を拾っていたので、ここがどうやらラスダン?まさかな…と思ったりしていた。
敵のサイキックのデザインはいい。ドナは可愛い。ショタっぽいスリープも、時代が変われば、人気を得たであろう感じ。
「ふっかつしゃ」の爺さんより、この幼い外見の二人が強いのはなんだか不思議だ。
そしてとある場所から、歩く骸骨?とイルカとシャチのいるフロアについた。
ジャンプでマップの登録名を確認すると「こくぴっと」とあった。もう一つは、らぼらとりー。
骸骨は死んだ後も何かの力で生かされているとのこと。
実験動物として生まれたらしいイルカとシャチと話すにはテレパシーが必要だが、レベルが5以上ないとダメとのこと。
この時点で、うちのあいねちゃんのテレパシーレベルは4。レベルを上げつつ、ダメージ床を防ぐことのできる「しーるど」能力を持つ3人目を探す。
しかしいくら探しても、色々試してみても見つからない。
手掛かりになりそうなキャラや場所はあった。
場所の一つは病院。不自然な部屋が2つ、何もないところと、入り口のない部屋にいる患者。
もう一つは警備室。ブルーカードを偶然持っていたので入れたが、やはり不自然に何もない部屋がある。
多分フラグを立てれば、ここに仲間が現れるのだろうが、その手順がわからなかった。
居住区に、警備室の管理を担当する人物もいた。あと、いきなり「まっくすはいいやつだった!」と言い出す人もいたので、この辺のキャラクターも関わりそうだ。
…と言うことまでは推測できたのだが、病院の部屋に入って出るだけで、IDカードが二枚いる。シルバーカードなので、多分1000ゴールド以上。手持ちはそんなにない。
この時点で、一回の戦闘で手に入るのが多くて30ゴールド。お金稼ぎが深刻に大変である。
でうすの村で500ゴールドで買った偽造カードと、居住区でテレパシーを使いもらったシルバーカードで、部屋を探すも、入り口が見つからない。上の壁もブレイクしてみるが、何も起こらない。
フラグが足りないのか…と警備室の方も探す。すると「このメモを木下に渡してくれ」と言う男性がいた。
これがフラグか!とアークCITYの入り口付近にいるポーカー好きの男性に話しかけるが、メモはポーカーの借金だったらしい。
その後再び警備室に戻ってみたが、新しい会話はさっぱりなかった。
お金稼ぎとレベル上げをするうちに、テレバシーレベルが5になった。
3人目は心残りだが、話を進めたいのでジャンプの登録先にしておいた「らぼらとりー」「こくぴっと」へ向かう。
イルカとシャチに話しかける。そして、噂の「どんでん返し」の真実を知らされた。
クルーⅢのコントロールは、イルカ族とシャチ族が今は握っていること。
サイキック狩りは、彼らが対話する人類を探すために行っていたこと。
(つまり、彼らがラスボスということだ)
もうすぐ水に溢れた星「あくあ」につくこと。
彼らがサイキックと共存するべきか迷っていること。
そしてみなみたちに、人類の代表として今後の道を選べと選択を迫ってきた。
共存するか、船に残り旅を続けるか、戦うか。
イルカは善良なイメージがあったので、ここでまさか人類を支配していた側であったことに驚いた。明かされる真実にゾッとしながら、ボタンをゆっくり押して話を聞いていた。
同時に「あれ、もしかして、これ最後の選択というやつでは?マルチエンディングの最後の選択では?」と気付いた。
3人目見つかってないんだけど…と思いながらも、好奇心を抑えきれず、セーブして改めて話を聞く。
そして、選択する。一発目なのもあるので、平和的に共存の道を選んだ、
その結果、どうやら新しい星で未来が開けたようだった。
宇宙を飛ぶ大きな船の一枚絵。
……そして、タイトル画面に戻った。どうやら無事にクリアしたようだった。
他のエンディングも試してみた。絵は同じだったので拍子抜けしたが、とりあえずクリアしたことにホッと一息ついた。
世界のあり方を考えさせられるストーリー。「人類が優れた種族という心の檻は壊された」という部分は秀逸だった。
これで終われば、なるほど。確かに辛いクソゲーだけど、面白かったな。となった。
しかし、3人目がまだ見つからないままだった。
色々試してみた。エネルギー管理室の全員と会話したり、研究所の会話を確認したり、木下さんのところへ行ってみたり。
居住区の全員ともう一度話したし、機械にもテレパシーをかけてみたり。
(ちなみに、機械の奴らは16進数でセリフを言っているので変換サイトを使った。LOVEとHOTーB(発売会社の名前)と言っていた。脱力した…)
でうすの村の病気をもう一度治してみたり、マップをもう一度探してみたり。
それでも見つからない。
かなりためらったが、もう思いつく手段がない。仕方なく、感想ブログで手順の一行目だけを見てみた。
『病院の患者に話しかける』
…これ全部やってみたよなぁ?
『左端の男』
どうやっても話しかけられないからバグかと思ったりもしてた人だな。
(このゲームの仕様と誤字の多さに慣れてしまっていた)
『下の壁にブレイクで壊せる場所がある』
ンンンンん??????
下の壁…
そう、私がブレイクを試した壁の、一つ下。そこだけが唯一壊せる場所だったのだ。
ここで、私はついにギブアップした。
もう少しで、自力でそこまで辿り着けたかもしれないという事実。
しかし探索とそれに必要なIDカードを買うためのお金稼ぎに疲れ切り、ヒントを見てしまった自分。
そのせめぎ合いに、色々と折れてしまったのだった。
そこから、私はこだわりを捨て手順を全部読んだ。
そして最小限の手数で進め、今まさに3人目の仲間「みさ」のいる部屋の近くにいる。
しかし、あろうことか、脱出手段であるブルーカードを一枚しか持ってきていなかった。
つまり、みさを連れ出しても部屋を出られない。完全に詰んでしまった。
追加セーブ機能「さいこめもりー」でカード集めする前のデータはある。
しかしそこまで戻ったら、また面倒くさい手順でカードを集めなければならない。
何せお金がないため、手順に必要なカードの二枚目は偽造カードで代用するというセコい技で進めていた。(そして何度もチャレンジしては時間を巻き戻していた。)
それを今日繰り返すのは、もう無理だ…。
そんなわけで、そこでスイッチのクイックセーブをして電源を切った。
そしてこの感想を今綴っている。読み返してみて、だいぶ疲れ切っていることがわかって、我ながら少しおかしい。
この疲れが癒えた頃に、4人で星をみにいこうと思う。
たぶん、エンディング絵に変化はないと思うが。始めたからには終わらせてあげたいという気持ちもある。
そして思うことは、ゲームを作る人ってすごいな…という、シンプルな感想だった。
星をみるひとは、噂通り、名作になり損ねた伝説のクソゲーでした。
……以上、書き綴っているうちに、ものすごく長くなった感想でした。
あんまり設定の考察とかしてないですね。うん、感想書いて思い出してるだけで疲れた(笑)そんなゲームです。
これを当時自力クリアした人たちを、心から尊敬します。
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